Screenshot

これ以上、何を比べればいいんだろう」

新しいガジェットが出るたびに、スペック表を見て、レビューを見て、結局よくわからなくなる。

性能はどれも十分すごいのに、決め手がない。

そんな感覚、どこかで覚えたことがある人は多いと思う。

そんな中、福井県・鯖江発のスマートグラスが、1億円を超えるヒットになった。

SABERA

しかも、競合がひしめく中で評価された理由は「スペック以上のこだわり」だとされていて、ここが少し面白い。

というのも、スマートグラスというと、本来はかなりスペックで語られがちな製品のはず。


もちろん、性能が不要になったわけではなくて、ただ、「性能がいいこと」は、すでに前提になりつつある。

スマホもイヤホンも、ある程度の価格帯に行けば「普通に良いモノ」であるからこそ、そこから先は別の軸で選ばれていく。

  • かけ心地はどうか
  • 長く使って疲れないか
  • 見た目に違和感がないか
  • 日常に溶け込むか

こういう、一見すると地味な部分が、実は決定打になったりする。


鯖江という土地も象徴的で、メガネ産地として知られるこの地域は、「見え方」だけでなく「かけ続けられること」を長年追求してきた。

スマートである前に「メガネとして成立しているか?」この順番が、海外製品とは少し違うのかもしれない。

最新機能を顔に乗せるという発想ではなく、「普段の延長として使えるかどうか」を先に考える。

それは派手さはないけれど、使う人にとっては確実に効いてくる使用感だったりする。

最近では「ちょっといい普通」が選ばれる場面が増えている気がする。

圧倒的な性能や話題性よりも「違和感がない」「長く付き合える」「説明しなくても伝わる」といった、そういうもの。

ガジェットに限らず、服でも、家具でも、同じような似気が漂っている。

たぶん、多くの人が「もう比較に疲れている」。だから、ちゃんとしている感じを直感で選び始めている。


このスマートグラスのヒットは、新しい技術の話というより、「選び方の変化」の話に見える。

スペックで納得する時代から、使ったときの違和感のなさで納得する時代へ。

はっきり言語化はされないけれど、「なんかこっちのほうがいい」という感覚。

その曖昧な判断が、実は一番信頼されているのかもしれない。

By s